甘いクスリ

なんとか、
七海の襟首をつかんで、
都築の怪我がひどかったら、
病院に連れてけよって、
一万円札を握らせるので、
精一杯だった。


台風みてぇだな・・・


怪我、大丈夫かな。


仕事ぢゃなきゃ
俺がいったっていいのに。


彼女が夜のうちに
干してくれたシャツを着て
ため息を一つついた。



結局、何にも言えなかった。



マリの事も


自分の気持ちも。









こうして、大事な事を
ズルズル先のばしにするのは
良くないって


あの時、学んだじゃないか。





勢いづいては来たものの
居心地の良さに逃げていて
同じ事を繰り返してる。







まったく。

成長してねぇな。




俺。





 
情けなくて
自分自身にため息を
こぼした。