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夜。
ベランダに出てゆっくりしようと思ったら
屋根の上に影が見えて。
「……あ…」
見れば、月を背にして座っているあの人がいた。
闇夜に浮かぶその姿は、月とあいまって。
何気ない風景のはずなのに
ひどく神秘的だった。
ドクン。
…なんだろう…。
なつかしい…。
ドキドキしながら胸を押さえていると
男の人が私に気づく。
「……あ、あの!ごめんなさい!
ちょっと風にあたろうと思ったら、いて…。
その、たまたまなんです!!」
…何を言ってるの、私。
誤解を解こうと必死になっていると
男の人はくすっと笑った。
…あ…。
その笑顔すらも、綺麗で。
聞きたく、なった。
「…あの、どうして…。
質問に答えてくれないんですか?」
「…名前を聞かれたくないんだったら
誤ります。
でも、何も反応しないから
嫌われてるのかな、って…」
「……」
男の人は一瞬黙ってから、
「…冴(さえ)だよ」
…冴…。
神秘的な名前だ。
夜。
ベランダに出てゆっくりしようと思ったら
屋根の上に影が見えて。
「……あ…」
見れば、月を背にして座っているあの人がいた。
闇夜に浮かぶその姿は、月とあいまって。
何気ない風景のはずなのに
ひどく神秘的だった。
ドクン。
…なんだろう…。
なつかしい…。
ドキドキしながら胸を押さえていると
男の人が私に気づく。
「……あ、あの!ごめんなさい!
ちょっと風にあたろうと思ったら、いて…。
その、たまたまなんです!!」
…何を言ってるの、私。
誤解を解こうと必死になっていると
男の人はくすっと笑った。
…あ…。
その笑顔すらも、綺麗で。
聞きたく、なった。
「…あの、どうして…。
質問に答えてくれないんですか?」
「…名前を聞かれたくないんだったら
誤ります。
でも、何も反応しないから
嫌われてるのかな、って…」
「……」
男の人は一瞬黙ってから、
「…冴(さえ)だよ」
…冴…。
神秘的な名前だ。


