白のアリア

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「全くッ!

人間ってのはなんでこんなに
だらしない生き物何ダッ!

父上が聞いたらなんて言うカ……」




…なに?




どうやら私の顔のそばで喋っているらしい。




トコトコと、小さな歩く音が聞こえた。





「大体、本当にこんな小娘が
夢様の忘れ形見なのカ!?


体型はいたって普通だし、
特別目立った特徴もない。


ひ弱そうな手足。
オーラなんてまるで感じられなイ!」




…むか。



…なに、こいつ。
さっきから聞いてれば人の悪口を
ずらずらと……。




だんだんいらいらしてきて
私はついに起き上がる!




「ちょっと、アンタ!

人の悪口言うなら、
まずその人のことよく知った上で言いなさいよ!


第一印象だけで決めないで!!!」





…って…?




「…猫……」



目の前には真っ黒な猫が
驚いた顔をして座っている。




目はスカイブルーで尻尾はやけに長い。




首元には赤色をした石のついた首飾りが
ぶら下がっている。




「猫ではない!!

我は夢様の正当なる守護者!!
シェル・ラターニアだ!!!」




…いや、どこからどうみたって猫でしょ…。




っつーか、シェル・ラターニアって…。


すごい名前。



びしっとけじめをつけて自慢げにそういった。




「…夢さまって、色羽の夢鳥のこと?」




「そのとおり!
夢さまはさまざまな名をお持ちでいらっしゃる。

決して真名が呼ばれることはないからな」




「なんで?」




すると猫は急に怒って。




「自らを守るために決まっておろうが!!
真名を知られたら最後、相手に命を握られるのと
同じことなのだぞ!!」



「…へ、へー…そうなんですカ」