「じゃあヘアピンなんか良いんじゃないかしら? 流行のシュシュとかも喜ばれそうだから、いくつか買ってあげたら喜ぶわよ?」

女の子達の群れの中に入って、いくつか選ぶ。

彼は嬉しそうに、選んでいる。

「あっ、そうだ。お礼として、何か一つぐらい買ってやるよ」

「良いわよ。その代わり、彼女に良いもの買ってあげなさいよ」

「そんなワケにはいかない! ホラ、どれが良いんだよ。選べ!」

何てエラソーなんだろう。

…でもそういう子供っぽいところも、愛おしいと思える。

真っ直ぐで純粋。

わたしの汚い心なんて、何も分かっていない。

そこが憎らしくて、とても嬉しい。