わたしの好きな人は、とても残酷。

わたしの気持ちを知って知らずか、いつも恋愛相談をしてくる。

「オレ、好きなコできたんだ」

「うん」

「でもさ、どうやったら近付けるんだろう?」

「そういう時はね…」

わたしは笑顔で恋愛相談に乗る。

そうして上手くいけば、心から喜んであげる。

…それが、彼がわたしに求めることだから。

それがわたしの役目だから。

そうすることで彼の側に居続けられるなら、わたしはいくらでも努力を惜しまないから。

辛くないのかと聞かれれば、心が引き裂かれるほど辛い。

でも同時に彼の為になれることが、とても嬉しかった。