紅芳記


「いつまでも、沈んでおってはならぬぞ。
あの娘とて、姫のそのような姿をみてはおれぬはずじゃ。」

「……………はい。義父上さま……。」

私は明日、この打掛を来て浜松城をたつことにしました。

おなみ、ありがとう。

私はまたしばらく泣いておりました。