紅芳記


「姫さま、お屋形さまがお呼びでございます。」

義父上さまが……。

さすがに義父上さまのお呼び立てを断ることはできません。

「今行くわ。」

私は、急いで身なりを整え、義父上さま…お屋形さまのお部屋に向かいました。

「小松でございます。」

「おぉ、姫。
待っておったぞ。
早う、中に!」

お屋形さまは、とても明るい声をされています。

どういうこと?

私は静かに部屋に入りました。