紅芳記


「ところで、おなみ。
そちらの方が?」

「はい。
私の夫でございます。」

「戸部幸之助(トベユキノスケ)と申します。」

幸之助殿…。

「よい名です。
おなみと再び会うことができたのは、そなたのおかげです。」

「ありがとうございまする。
姫さまのもとに参ると言うと、付いていくと聞かないものでしたので…。」

「まぁ、おなみが?」

私は微笑み、

「おなみ、ありがとう。」

と言いました。