「姉上…。 父上は?」 仏間にこもり手を合わせて願掛けをしていると、弟の平八郎(のちの忠政)が来ました。 「真田の兵は2000がいいところですよ。 負けはいたしますまい。」 「されど、真田には上杉がついていると聞き及んでおります。」 この頃、真田は主を織田、武田、北条、徳川と転々とし、徳川と所領のことで揉めていたため上杉の臣下に降り、昌幸は次男の信繁(幸村だが、幸村の名は真田十勇士という物語上の名なので信繁が正しい)を上杉の人質としていた。