紅芳記


「おなみ!?」

私は驚き、つい大声になってしまいました。

「姫さま、お久しぶりにございます。」

おなみは深々と頭を下げました。

「おなみ、そんなに畏まらないで。
前のように話してくれてかまいませぬ。」

「しかし、今や姫さまはお屋形さまの姫君にございます。
そのような無礼…。
私は姫さまがまだ本多さまの姫さまだった時でさえ、恐れ多くて恐れ多くて…。」

「よいと申しております。
おなみとは、いつまでも友としてありたいのです。」

「友…。
私などが、姫さまの友でよろしいのですか……?」

おなみは、細々とした…遠慮したような声で私に問いました。

「そうじゃ…。
おなみと私は友。
……嫌だったか?」

「い、いえ!
ありがたき幸せにございます!」

おなみは少し頬を赤らめて言いました。