「姫さま。 姫さまのご衣裳を仕立てる商人が城に参りましてございます。」 「そう…。 通してよい。」 私はまだ打掛をあまり着てはおりません。 しかし、やはり打掛がなにかと必要かもしれません。 ならばと、ふじに言われて仕立てて頂けることになったのです。 義父上さま、義母上さまも自由に何枚か仕立ててよいとおっしゃってくださいました。 徳川の家訓は質素倹約故、私としては、今ある1枚で十分と申しましたが、それではせっかく徳川の姫となったのに本多にいるときとあまりかわらぬと…。