紅芳記


佐助とともに、殿達の元に参上しますと、すぐに中に通されました。

佐助は此度の戦に重要な情報を手にしたとのことで、それを大殿に耳打ちしています。

戦は如何に情報を多く集めるかが鍵を握っていると言っても過言ではありません。

敵味方問わずより多くの情報を手にし、それを持って判断しなくては取り返しのつかない事態にもなり兼ねないのです。

だからこそ、真田家のように大きな名のある家は忍びを重用しています。

忍びは、時には相手の情報を探り、または味方に都合の良いように情報を操作することに長けた者たちです。

忍びがいるかいないかで、戦況が変わってしまうことだって考えられます。

佐助の話が終わって、大殿の指示によって私と佐助は再び退がりました。

今頃、三人の間で決議が行われているはずでございます。

自室に戻った私は、不安そうな顔を浮かべる昌親殿に大丈夫、と微笑んで作りかけの肌着を手に取りました。