「義父上様、源次郎殿、お久しゅうございます。
長くのお勤め、お疲れ様にございました。」
「うむ、小松も息災でなりよりぞ。」
「義姉上、お元気そうで良うございました。」
実に二年ぶりでしょうか、大殿は相変わらずのご健勝で、信繁殿は益々男ざかりのご様子です。
殿もこうして本領で親子三人揃うのが嬉しいのか、顔を綻ばせていらっしゃいます。
「しっかし、儂の知らぬ間に二人も子が増えているとは、まっこと驚いたわい!」
大殿は真田家の世継ぎとなるであろう、三人の若を前にして豪快にお笑いになりました。
源之助もじじ様の大殿にお会いしてとても楽しそうで、最近手習いを始めた笛を披露して大殿を喜ばせました。
じじ様の顔を知らない源四郎と源三郎はきょとんとしてその様子を見ており、それを見た信繁殿がまたお笑いになります。
そんな時に、大殿がお帰りになったのを聞いた殿の弟である信勝殿と昌親殿も沼田城においでになり、兄弟四人が一堂に会する機会になりました。


