その五日余り後のこと、霜月に入り紅葉の舞う朝でございました。
いよいよ産気づいて、そばに控えていた香登に伝えると、産婆と介添え役の侍女、その他大勢のもの達がバタバタと集まって来ました。
さすがは三人目、私もすっかり慣れて落ち着いておりますが、日が暮れて来てもまだ生まれようとして来ません。
何度味わっても、お産の痛みは言葉に表し難いものがございます。
更に日が落ち、月明かり照らす深夜についに三人目となる我が子が誕生致しました。
ほっと一息着くと、生まれた子を見たふじが
「わ、若君様でございます!!!」
と声を上げました。
若君…。
何ということでしょう、まさの言っていたことが誠となりました。
「次郎君様でございます!」
ふじがそっと、若君を私に抱かせてくれました。
やっと、私にも男の子が授かった。
お産の疲れと嬉しさから、少しだけ目尻に涙が溜まってしまいました。


