紅芳記


忙しい日々が続いた後、久しぶりにのんびりと過ごしたからでしょうか、また身体の調子が芳しくない日々が続きました。

殿は連日お勤めがあり、ご迷惑をお掛けしてはならぬと侍女らには黙っているように申しつけておりました。

されど一向に快方に向かわず、いよいよ心配したふじが医者を呼びました。

私としては、大したことのない風邪だろうと思っておりましたゆえに、いささか大袈裟だろうと思いつつ、医者に診てもらうことにします。

しかし、医者の診断は思いもよらぬものでございました。

「おめでとうござりまする。
ご懐妊でございます。」

「奥方様っ…!」

まさか、子が出来ていただなんて。

まさを産み落としてから、まだ其れ程時間は経っておりません。

こんなに立て続けとは、思いもよらぬことでございます。

「奥方様!
お殿様がお帰りになり次第、私がご報告に参らせていただきとう存じます。」

仲橋が嬉しそうに申すので、私はしかと頼む、と言い、治らぬ吐き気を理由に床に潜っておりました。

3人目、とは申せこればかりはどうしようもございませぬ。