紅芳記


「伊豆守様は、今は義理の兄上様にございます。
何卒、よろしくお願いします。」

「いや、こちらこそ。
幾久しゅう、お付き合いできれば何よりにござる。」

「ああ、そうそう、父は今、大坂城に詰めておりまするゆえ、何かあった時は私めに。
力になれるやもしれませぬ。」

「かたじけのうござる。」

殿と私は暫く中納言様と世間話などをしてから、徳川の大坂屋敷を後にしました。