紅芳記


そんなつかの間の幸せは、あっという間に過ぎ去ってしまいました。

太閤殿下による、朝鮮への出兵が再び開始されたのでございます。

これにより、一気に、国中に不穏な空気が漂ってしまいました。

しかも、今度の出兵では、太閤殿下がおん自ら下す指揮は、伏見から出されるというではありませんか。

これには、諸将が揃って不満げな事、この上ありません。

太閤殿下は、昨年の暮れに御元服遊ばされた、於拾君改め秀頼君のことしか、最早見えてはいらっしゃらないのではないでしょうか…。