紅芳記


それぞれ部屋に戻ろうとした時、突風が吹きました。

この突風には、覚えがあります。

「佐助、何事じゃ。」

真田家忍隊の、佐助の風にございます。

「申し上げます。
聚楽第が、取り壊されております。」

「聚楽第が…?」

太閤殿下は、それ程まで…。

──バタン!

廊下のずっと奥から、物音が致しました。

「何奴!?」

皆、一斉に身構えます。

「殿、某が見て参ります。」

佐助は素早く、様子を見に伺いました。

そして、すぐに戻って来て、

「どうやら、全て清姫様に聞かれてしまったご様子。」

と報告しました。

慌てて、そちらに向かうと、清姫が侍女におぶられておりました。

どうやら、会話の内容に気を失ってしまったようです。