──ドンドンドンドン!!
秀次様の切腹から、数日がたった頃。
屋敷の門を荒々しく叩く音で、目が覚めました。
隣の褥にいらしたはずの殿は、もういらっしゃいません。
私は寝屋から自室に戻り、様子を伺う事と致しました。
私の部屋に向かう途中、ふじに会えました。
ふじは急いで私を着替えさせ、私と自分の薙刀を用意し、部屋の前で薙刀を構えます。
私も鉢巻きを締め、襷で袖を括りました。
「奥方様っ!」
門の方に続く廊下から、仲橋が早足で参りました。
「仲橋!
これは一体何事じゃ!?」
「き、清姫様を…」
「清姫殿を、何なのじゃ!?」
「太閤殿下が、清姫様を差し出すようにと…!!」
「…何じゃと!?」
「太閤殿下は、亡き秀次様の奥方様、御側室様、若様姫様を捕らえると…!」
「そんな!」
世の習いでは、おのこは捕らえ、処罰してもおなごは助けるものにございます。
それを、捕らえるなど、太閤殿下は一体何をなさるおつもりになのでしょう。


