紅芳記


梅雨もすっかり明けた頃、ついに事件は起こりました。

私の感じた不安が、現実となって現れたのでございます。

それは、文月三日の事。

関白、秀次様のお屋敷に石田三成、前田玄以ら五名が押し寄せ、秀次様は高野山へと行かされてしまったというのです。

その罪状は、太閤殿下への、ご謀反。

私のみならず、大殿も殿もまさかと佐助や才蔵に探らせましたが、やはり事実で、秀次様はもう京・聚楽第から河内のあたりまで行ってしまわれたとの事。

この青天のへきれきとも言える事件に、真田屋敷も、特に奥向きは大混乱となってしまいました。