「いいえ。
姫さまに持っていて頂きたいのです。」

「けど!」

「実は、昨日その方にお会い致しました。」

「え?」

「その方に、ともに来ないかと言われました。」

そう言ったおなみの頬がほんのり朱く染まりました。