紅芳記


「産まれました!!
産まれましたーっ!!!」

ふじが大きな声で叫びました。

馬鹿ね、赤子が驚くのではないの。

「奥方様、御生まれになりました。
まこと、おめでとうございまする。」

「そ、そうじゃの…。
し、して。
若か?
姫か?」

息切れをしながら聞くと、ふじは満面の笑みで赤子を私の近くまで抱いてきました。

「可愛らしい姫様にございますよ。」

姫…。

「そうか、姫か。」

私も自然と顔に笑みが浮かび上がります。

「姫、姫や…」

力の入らない体を姫の方にむけ、話かけます。

姫が笑ったような気がして、私の意識はそこで途絶えました。