紅芳記


夜に、一人で月や星たちを眺めておりました。

今日は良く晴れていて、満天の星空が広がっています。

月の形は、小望月。

あと少しで満月なのに、満月になりきれていない可哀相な月。

そんな月を眺めていたら、ため息がひとつ、こぼれ落ちました。

理由などなく、ただ、自然と。

そんな憂いを子が感じ取ったのか否か、お腹に違和感を感じました。

どうしたのかしら。

まださして痛む訳でもないし、もしや子に何かあったのでは…。

そう思った矢先。

「い、痛…」

気のせいではない痛みが走りました。

まさか、産まれる…!?

「どうしよう…」

産まれるのはまだ先だろうと、今日に限って心配する侍女たちを皆下がらせ、一人になっていたというのに。

歩いて呼びにこうにも、お腹の痛みは増していきます。

まずいわ、私だけじゃ、どうして良いかわからない…。