紅芳記


それから、本当に穏やかな、不気味なくらい静かな日々が続きました。

お腹の中の我が子はすくすくと育っていき、最近ではよくお腹を蹴るのです。

これほど元気ならば、きっと丈夫な子が生まれてきてくれるだろうと、誕生が待ち遠しくてなりません。

侍女たちも、『奥方様の御子であれば、きっと健やかなことでしょう。』と皆が口を揃えて言ってくれています。

今か今かと城中の者が誕生の時を待っていてくれているのです。