紅芳記


お二人は顔を見合わせましたがすぐに御方様が

「小松殿と会うてすぐのことじゃ、朝鮮より使いが参っての、秀勝殿…お江与の夫が亡くなったというのじゃ。」

とお話くださいました。

「なんと…」

「そればかりかお江与は子を身篭っておったそうじゃ。」

「お子を?」

「お江与はそれを隠そうとしておったそうじゃが、お江与の乳母が心配して私の侍女に知らせて参った。
それで私の目の届く所に置き、子を産ませた。
それが完子じゃ。
しかし、完子を産んで以来、あのお転婆のお江与が部屋に引きこもっおるのでのう、私達も心配しておったところなのじゃ。」