紅芳記


「奥方様!」

門へ向かう途中、見知らぬ家臣に引き止められました。

「某、殿より奥方様の護衛を仰せつかりました、真田家忍隊、佐助と申しまする。
これより、道中は私が先駆けとして参ります故、何卒ご承知下されませ。」

「そうですか、わかりました。
よろしくお願い致します。」

「は。
では、一足お先に。」

佐助はそういうと強い風と共に姿を消しました。

私は待っていた家臣五人の許へ行き、門番に門を開けさせ屋敷を後にしました。

世都も馬で付き従います。

「沼田まではどれ程かかる。」

「恐らくは十日ほどかと。」

「では、それまで皆、よろしく頼みますよ。」

「は!」

私達は沼田へと帰路に着いたのでした。