紅芳記


初めて殿にお説教され幾許か沈んでおりますと、

「明日、わしが出立したらすぐ沼田への帰路につけ。」

と申されました。

「はい。」

「出来るだけ早う沼田へ着けるように致すのだ。」

「承知致しました。」

「話はそれだけじゃ。
わしは明日の準備を確認しに行く。」

殿は席を立たれ、忙しく働く家臣達のもとへ行かれました。