紅芳記


ふぅ、と殿がひとつ息を吐き、強い目でこちらを向きました。

まさか、怒られる…?

「そなたは一体なにを考えておる!!
徳川屋敷に家出など、肝が冷えるではないか!!!」

あぁ、やっぱり!

「も、申し訳ございませ…」

「申し訳ないでは済まなんだやもしれぬのだぞ!!」

うっ…!

「これからは家出などしてはならぬぞ。」

「は、はい…。」

「聞こえぬ。」

「承知致しました!
もう家出など致しませぬ!」

「その言葉、決して忘れるな。」

「…はい。」