紅芳記


「小松、改めて問おう。
そなたは京に留まるか沼田に戻るか、どちらに致すか。」

京の屋敷内でひっそりと隠れているか、沼田に戻り殿を想いながら城下を治め日々を過ごすか。

私の答えは決まっておりました。

心にかかった靄が晴れた、その時から。

「沼田に、戻りまする。」

殿は私がそう言うと確信されていたようで、安心されたご様子で

「そうか。
わかった。」

と了解して下さいました。