私はありのままの素直な気持ちを真っすぐ殿に伝えてしまおうと決め、語りだしました。
「…私は、ずっと寂しかったのです。
なぜならぱ、殿は小田原攻めの後より夢の御方様一辺倒で、正妻など名ばかりではないかと。
私は所詮、押し付けられただけの娘、仕方ないことと幾度も思いました。
しかし、やはり寂しさには勝てなかった。
ならばいっそ京で真田の奥方という肩書きを活かし働こうと思い立ったのです。
さすれば、夢の御方様とて邪魔な私が沼田にいなければ寂しい思いを少しでもしなくて済むはずだと。」
一気にそういうと、心に引っ掛かっていた枷が外れたようにすっきりと致しました。
殿はただ黙って私の話を聞いて下さいました。
「…馬鹿者が。」
「え?」
「何故それを早うわしに言わなんだ。」
「…申せるはずがございますまい。
夢の御方様は真田の正しき血筋の姫君、それにあのように素晴らしい方で殿の御寵愛を一身に集める姫を蔑ろにするようなことなど私にはとても…。」
「わしは、そなたが愛しいと、何度も言うておったはずじゃが?」
「そ、それはその場の方便でございましょう…?」
「馬鹿者。
このように照れ臭いこと、嘘でも言えるはずがなかろう。」
「で、ではなぜこの2年、夢の御方様をご寵愛なされました!?
それでは矛盾しておりまする!」
「夢は気位の高い女子じゃ。
じゃからそなたがわしの正室となった際、悔しゅうて城下の屋敷に移った。
小田原攻めの後、そなたは夢に会ったと言うたな。」
「はい、申しました。
とても謙虚でいらっしゃって…。」
「あれは、演技じゃ。」
「演技…?」


