「そう。」 「奥方様、真田へお戻り下さい。 殿が感づかれる前に。」 「嫌。」 「姉上、我が儘はなりませぬ。」 「我が儘などではない。」 「嘘をおっしゃい。 立派な我が儘にございます。」 「私は沼田に戻りたくないの。」 「奥方様!」 沼田に戻れば、また夢の御方様と殿が睦まじくしているところを目の当たりにしなくてはなりません。 もう、そんなの嫌なのです。 それに、京にいればより多くの情報が入ってきます。 真田の損にはならぬはず。