間一髪で屋敷を抜け出し、そのまま徳川屋敷へ向かいました。 「何奴。 名を名乗れ。」 徳川屋敷の門番に問われたため、 「小松じゃ。 お屋形様の養女の小松。」 「小松、様?」 「真田の奥方様の?」 「そうじゃ。 義父上にはお伺いの由はお伝えしてある。」 「しかし…」 門番はなかなか納得してくれません。 仕方ないこととは思いますが。 なにせお屋形様の養女で真田の奥方となったはずの姫が一人で馬に乗って来ているんですもの。