紅芳記


いよいよ明日、私は家康と正式に養子縁組をいたします。

私はこれが最後になるかもしれないと、馬に乗って城下に飛び出しました。

「おなみ!
いるかしら。」

私はおなみの家に真っすぐに向かっていきました。

「い、稲姫さま!?
いかがなされたのですか!?」

おなみはかなり驚いています。

まぁ、今まで家に直接行ったことがありませんから、無理もありません。