紅芳記


「茶々姉様!
初姉様!」

可愛らしい姫君様が走って部屋に参られました。

「お江与、勝手に城下に行ってはならぬと申しているであろう。」

「だって…」

「だってではない。それより、まずは小松殿に挨拶せよ。」

お江与様はこちらを見て目をぱちくりとされ、

「豊臣秀勝が妻、江じゃ。
江与ともいう。
よしなに。」

「真田安房守嫡男信幸が妻、小松にございます。
何卒よろしくお願い申しあげます。」

お江与様とも挨拶し、私は三人がそっくりだと思いました。

三人ともお美しいのは言うまでもないことですが、どうやら人見知りのようです。

しかし慣れて下されば親しみやすく、楽しい話をたくさんして真田屋敷に帰りました。