紅芳記


お屋形様が…。

しかし、あのお屋形様のことです。

何か深い策略というか陰謀というか…。

とにかく、なにかありそうな気がするのです。

「承知、致しました。」

父上には逆らうことなどできないのです。

それに、お屋形様のせっかくのご配慮を蔑ろにすることなどできません。