紅芳記


翌年の文禄元年、卯月。

ついにその時が来ました。

「奥方様、世都殿が目通りを願うてございます。」

「通せ。」

「はい。」

ふじが部屋から出、入れ代わりに世都が入って来ました。

「小西行長様、加藤清正様、黒田長政様らが先峰として朝鮮に向け出陣されました。」

開口一番に世都がそう告げ、続けて

「四番隊に毛利吉成様、五番隊福島様、六番隊小早川様、七番隊毛利輝元様、八番隊宇喜多様、と次々と海を渡られているようでございます。」

「真田家は?」

「もう、間もなく命が下るかと。」

「そうか。
ご苦労であった。」