紅芳記


「ほう…。」

「関白様はすべての大名の妻子を上洛させよ、と。」

「なるほどのぅ。
人質を差し出せということか。」

「左様。
さすがは真田様。
お話が早い。」

では、私は殿の離れて京に住まわねばならぬということなのかしら…?

嫌…。

嫌だけれど、それはそれで良かったのかもしれないわ。

なぜならば、今や殿の御寵愛は夢の御方様にあるも同じ。

邪魔者は退散したほうが良いのやも知れません。