紅芳記


私は佐熊殿と世間話のようなものをして時間を繋ぎました。

一刻ほど経ち、ふじが部屋に入って来て

「お殿様が御戻りになりました。
もう間もなくでいらっしゃいまする。」

と耳打ちしてくれました。

私は佐熊殿に

「大変長らくお待たせ致しました。
もう間もなくでいらっしゃいますので…。」

と伝えました。

「は。
承知致しました。」