紅芳記


髪をよくよく梳かせて、寝所に向かいます。

四ヶ月ぶりだけあって、いつになく緊張しています。

襖を侍女に開けさせ、中に入りました。

…殿はまだ来ていらっしゃらない。

息を一つ吐いて、適当なところに腰を下ろしました。

しばらくぼうっとしていたら、足音が聞こえましたので、居住まいを正して襖の開く音に合わせ頭を下げます。

「小松。」

殿の声にはっと頭を勢いよく上げてしまいました。

「っ…!
殿…。」

だんだんと殿が近づいていらっしゃいます。

「小松、会いたかったぞ。
戦の間も、ずっと…。」

「私も、お会いしとうございました…!
あなた様の御無事を祈りながら…。」

殿に強く抱きしめられ、口づけられました、