紅芳記


「いつ来ても美しいところです。」

私は、川辺に腰を下ろし、手で水をすくいました。

一切濁りのない澄み切った水。

少し冷たい温度。

…平和。

つい先日まで、真田と戦をしていたなんて思えないほどに平和。

早く戦乱が終わりさえすれば…。

そんな、つかの間のひと時だからこそ、ありがたく感じます。

しかし、それは一瞬で打ち破られました。