紅芳記


それでももう2、3日ほどすると、準備も整ってきたのか大忙しではなくなり、あとは侍女や家臣に任せることにしました。

部屋で休み、頃合いを見計らって仲橋を呼び

「お母上様に一度お会いしたいのじゃが。」

と言いました。

仲橋の言うお母上様とは、大殿…昌幸様の御正室の京の御前様のことです。

私の姑に当たられる方で、今は本丸にお住まいです。

殿を迎える準備に夢中でお会いする機会を失っていたのです。

「承知致しました。
京の御前様にお伝えして参ります。」

「頼むぞ。」

「はい。」