紅芳記


着いてみると、そこはあれやこれやの大騒ぎでした。

「これは…っ!
お、奥方様っ!」

「奥方様っ!?」

「奥方様じゃ…。」

皆驚いた顔をしましたが、私は何食わぬ顔で

「私も手伝ってよいか?」

と聞きました。

「もっ、もちろんでございますっ!
奥方様がこのような場所にいらっしゃるとはっ!」

「私も殿をお迎えする支度をしとうての。
これはあそこに運べばよいのか?」

「はっ、はいっ!」

「そうか。
かたじけない。」

「いっ、いえっ!」

てきぱきと働いてる内に、侍女達とも打ち解けてきて、皆私の指示を仰いであれこれとやってくれるようになりました。

「奥方様、こちらは?」

「そうじゃの…。
向こうに。」

「はい。」

「奥方様、あちらは如何致しましょう。」

「ああ、それはの…。」

働くとは楽しいこと。

夢中になっている内に日も傾いてきたので、部屋に戻りました。