紅芳記


いよいよ明日は出立という夜、殿のお渡りがございました。

「小松、留守は頼むぞ。」

「はい。」

真田家は今、殿と信繁殿以外の男子はまだ幼く実質的には私が留守を守ることとなります。

「留守は私に任せ、存分にお働き下さいませ。」

「あぁ。」

そのまま強く抱きしめあい、唇が落ちる。

これからしばらく戻れなくなることを惜しむように、私達は愛し合いました。