紅芳記


殿はこちらに近づいてきて、強く抱きしめられました。

「と、殿!?」

「わしも、早うそなたの子を抱きたい。」

そう仰せられた殿に組み敷かれました。

状況を理解し、顔は真っ赤になっていることでしょう。

殿はなにやらとても可笑しそうです。

「小松はすぐ赤うなる。」

ついに、殿が吹き出すように笑われてしまいました。

「殿っ!」

「すまんすまん。
あまりに可愛らしゅうてついな。」

「かっ、可愛らしいなど…。」

「ほれ、また赤うなった。」

当たり前にございますわ。

お慕いしている方に可愛らしいと言われては嬉しいに決まっておりますもの。