紅芳記


翌日、日が上りしばらくたってから右京殿がいらっしゃいました。

「お初にお目にかかります、右京にございます。
奥方様とお会いすることがかない、恐縮至極にございます。」

朗らかに話す声、柔和なお顔立ち。

このように素晴らしい器量を持った方が、殿の側室で私の恋敵なの…?

「小松にございます。」

とにかく、右京殿とうまくやっていくしかないわ。

「さぁ、そのように固くならずにおくつろぎください。」

「ありがとうございまする。」