紅芳記


「それより…。」

殿がぬうっと近づいていらっしゃいました。

「きゃっ!
殿!?」

そして、いきなり抱きしめられたのです。

「小松の匂いじゃ…」

それを聞き、顔がみるみる赤くなるのを感じました。

本当に、頭から湯気でも出ているんじゃないかと思うほどに。

「小松。」

名を呼ばれ振り返ると、突然口づけられました。

私はもう何がなんだかわからずただ顔を赤く染めるばかりです。