「よろしいのですか?
仮にも姉上は本多の姫では…。」
「平八郎殿、女子の身で薙刀を振り回し馬に乗るははしたないと?
女子に武芸は不要と申されるか?」
私はたいてい、こういう時優しい口調になってしまいます。
「い………。
は、はい!
女子には、女子にしかできぬ勤めがございます。」
今まではあまり反論してこなかった平八郎も、最近はよく口答えするようになりました。
「そうですか。
されど、平八郎殿。
今の世は女子とて強くあらねばなりませぬ。
豊後には父親から家督を譲られた姫君とております。」
メニュー