紅芳記


とは申せ、今は昼間。

夜まで暇です。

何かしようにも、これといってしたいこともございません。

「奥方さま。」

ふじがキラキラとした目で話し掛けて来ました。

珍しいことなので、何なのか気になりますわ。

「何じゃ。」

「やはり奥方さまへの殿の御寵愛は目覚ましいものにございますね。
右京殿が側室となられ不安もありましたがあの様子では奥方さまが愛しくて仕方がないのでしょう!」

「どうした、突然。
そなたらしくもない。」

「そうでございましょうか。」

「いつもならそのような話などせぬではないか。」

そう言うと、ふじの目が少し泳ぎました。

何かあったのでしょうか。