紅芳記


「殿。
小松にございます。」

殿に近づくと、ぼけーっとした表情でこちらを見られました。

「小松…。」

「お疲れでございますか?
もうお休みなされませ。」

そう言いながら褥へ行くと、突然、殿に抱きしめられました。

「と、殿っ!?」

「小松ーっ。」

抵抗するのですが、女の力では殿方にはかないません。

殿はそれをいいことにべたべたと幼子のように甘えていらっしゃいました。