紅芳記


「えい、えい!」

庭のほうから平八郎の声がしました。

武芸のお稽古かしら。

「あねうえ、どこにいくの?」

「お庭に。」

私は、平八郎のいる庭に向かいました。

私も平八郎と一緒に薙刀でもしようかな。

袖を手ぬぐいで括り、袴をはいて鉢巻きをしました。

「平八郎、私も一緒にやってもいい?」

「えっ!?
あ、姉上!!」

「なによ。」